ガラス作品を作り始めたのは、もう15年以上も前のことです。ガラス作家の郡 和子さんの工房を手伝い始めたのが、ガラス作家としての最初の一歩でした。
郡さんは、「吹きガラス」と「パート・ド・ヴェール」の両方の技術を持つガラス作家でした。私は彼女の元で、パート・ド・ヴェール作品の制作を学びました。
7、8年ほどして、自分で少しずつ作品をつくるようになりました。最初は小さいアクセサリーを作っていました。細々、という感じでしたが、2015年に初めての個展を開催しました。
大きな作品をつくってみたい、と思うようになったのは5年ほど前からでしょうか。なんとなく、自分の性にあっている気がしたのです。
ガラスは光を受けて輝きます。立体的で重みもあります。そして、流動的で不可逆的です。融通が利かず、技術だけでは思うようにならないときもあります。でも、それはガラスの魅力でもあります。
作品づくりできない時間は、まるで呼吸していないように感じた。
こんな作品がつくりたいと思っても、最初から輪郭を描写できることは、ほとんどありません。ガラスと向き合うことで、ぼんやりとその姿が見えてきます。創造とは、神様の所業なのかもしれませんね。
ああ、神様に会ってみたい
私がこれまで作り続けて来られたことは、 良き人との出会いとそのタイミングだった様に思います。 今、それらの時間を振り返ると、 やはり全ては神様からのギフトだったのだなぁと思わずにはいられません。
生命ある作品は、共鳴して人に届きます。その音に涙するときがあります。光や生命の宿る作品を、これからも生み出したいです。
作品写真・取材:青山航
語り手:大中原由紀
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